帝国データバンク(東京都港区)はこのほど、「2024年度の設備投資に関する企業の意識調査 -業種・雇用過不足別分析-」の結果を発表した。2024年度に設備投資を実施する予定(計画)がある企業は、前回(2023年4月)から1.8ポイント減の58.7%で、4年ぶりに前年を下回った。資材価格の高騰や人手不足、金利上昇による値上げにより、建設、機械メーカーなど幅広い業界で、設備投資の先送りや計画見直しの動きがみられる。
一方、インバウンド需要で好調な「旅館・ホテル」は、全業種平均を23.7ポイント上回る82.4%が設備投資の予定(計画)が「ある」と回答。設備投資予定額は平均1億9454万円で、全体平均(1億2705万円)を6700万円あまり上回った。次いで、「輸送用機械・器具製造」(76.9%)や「化学品製造」(76.2%)、「飲食料品・飼料製造」(73.4%)、「運輸・倉庫」(71.5%)、「建材・家具、窯業・土石製品製造」「鉄鋼・非鉄・鉱業」(各70.4%)が7割台で続いた。
設備投資計画がある企業の割合を正社員の雇用過不足別にみると、人手が「不足」している企業は65.3%、「適正」な企業は53.9%、「過剰」な企業は52.1%だった。IT・DXなどの「デジタル投資」は、人手「不足」企業で40.4%と4割を超える一方、「過剰」な企業では31.7%にとどまった。人手不足な企業ほど、人手不足への対応や省力化投資、デジタル投資関連を積極的に進めていることが明らかとなった。
財務省が6月に発表した法人企業統計調査(2024年1-3月期)によると、金融業と保険業を除く全産業の設備投資額は、前年同期比6.8%増となった。2024年度の設備投資の状況は、先行きが見通せないことや、資材高、人手不足などで慎重な企業が増えるなか、手元資金のある好調な業界や人手不足が顕著な企業で積極的な投資が見込まれるとした。
住宅ビジネスに関する情報は「新建ハウジング」で。試読・購読の申し込みはこちら。