厚生労働省が7月8日公表した2024年5月分の「毎月勤労統計調査」(速報)結果によると、建設業(事業所規模5人以上)の月間現金給与総額は39万3123円で、前年と比べて7.2%の増加。このうち決まって支給される所定内給与は34万3105円(同5.7%増)、残業手当や休日出勤手当などの所定外給与は2万1917円(同1.8%減)、特別に支払われた給与は2万8101円(同43.7%増)となった。
現金給与総額を産業別に見ると、建設業の伸び率(7.2%)が最も高く、次いで運輸業・郵便業(5.7%)が伸びている。4月からの時間外労働時間の上限規制により、残業代などの手取り収入が減少することに加え、人材確保がさらに困難になるとの懸念から、給与を引き上げた事業者が増えたと考えられる。
建設業のうちパートを除く一般労働者の給与総額は40万6788円(同6.7%増)。内訳は、所定内給与が35万4482円(同5.2%増)、所定外給与が2万2949円(同2.4%減)、特別に支払われた給与が2万9357円(同42.6%増)だった。
建設業の総実労働時間は同1.2%増の155.6時間、所定外労働時間(残業・休日出勤など)は同2.5%減の11.6時間、出勤日数は0.2%増の19.1日。このうちパートを除く一般労働者の総労働時間は同0.9%増の159.3時間、所定外労働時間(残業・休日出勤など)は同4.0%減の12.1時間、出勤日数は0.1%増の19.3日となった。
建設業の労働者数は252万1000人となり前年比で0.1%減少。パート比率は4.79%で同0.67ポイント減少した。入職率は1.50%(同0.12ポイント減)、離職率は1.28%(同0.05ポイント増)だった。
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