三協立山(富山県高岡市)が7月11日発表した2024年5月期連結決算は、建設市場の低迷による販売量減少などにより、売上高は前年同期比4.7%減の3530億2700万円。利益面は価格改定の効果もあり、営業利益が同42.6%増の38億700万円、経常利益は同13.5%増の38億8000万円となった。最終損益は、能登半島地震により工場操業停止の影響を受けたほか、建物・設備の修繕費用がかさみ、特別損失20億4200万円を計上したことから10億1900万円の赤字となった。
建材事業は、売上高は1822億7000万円(前年度比2.6%減)と伸び悩んだが、「住宅省エネキャンペーン」によるリフォーム需要や価格改定を含めた収益改善施策により、セグメント利益は22億2800万円となり、前期から23億4600万円改善した。
中でもリフォーム関連商材の売行きが好調で、後付樹脂内窓「プラメイクEⅡ」、「プラメイク」の売上は前年度比で70%増、リフォーム商品「NOVARIS(ノバリス)」シリーズの売上は2倍増となった。
マテリアル事業は、建材分野の需要減退により、売上高は530億8500万円(同9.3%減)、セグメント利益14億6700万円(同54.3%減)と大幅に減少。商業施設事業は、店舗の新規出店や改装需要を取り込むなどで、売上高426億7200万円(同2.5%増)、セグメント利益15億3400万円(同154.2%増)と伸長した。
国際事業は、為替影響による増収効果はあったが、アルミ地金市況に連動する売上減少、ドイツ経済の低迷の影響を受け、売上高746億3600万円(同9.9%減)、セグメント損失13億600万円(前年度はセグメント損失8億3300万円)と、赤字幅が膨らんだ。
次期は黒字転換を予想
2025年5月期は、建材事業におけるリフォーム商材の取り込みや、一般機械分野の需要回復を見込んでいることから、売上高は3600億円(前期比2%増)、営業利益は40億円(同5.1%増)、経常利益は30億円(同22.7%減)、最終損益は15億円の黒字となる見通し。
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