国土交通省は7月5日、建築物省エネ法省令および関連告示が6月28日に交付されたことを受け、気候風土適応住宅の仕様に3仕様(茅葺き屋根、面戸板現し、せがい造り)を追加した。これに合わせて建築実務者向けの「気候風土適応住宅の解説」(PDF)を改訂し、「省エネ法・資料ライブラリー」で公開している。
「気候風土適応住宅」は、伝統的構法により地域の気候・風土に応じた特徴を多面的に備えている住宅。(1)様式・形態・空間構成、(2)構工法、(3)材料・生産体制、(4)景観形成、(5)住まい方―を要素としている。同住宅は、断熱性能の基準を2025年4月に施行する省エネ基準に適合させることが困難であることから、外皮基準については適用を除外されている。
ただし、適用除外には条件があり、▽外壁の過半が両面を真壁造とした土塗壁▽外壁が両面を真壁造とした落とし込み板壁▽屋根が茅葺き▽外壁が①~③のいずれか(①片面を真壁造とした土塗壁、②片面を真壁造とした落とし込み板壁、③過半が両面を真壁造とした落とし込み板壁)▽屋根が①~③のいずれか(①化粧野地天井、②面戸板現し、③せがい造り)▽床が板張り▽窓の過半が地場製作の木製建具―に該当する必要がある。
「気候風土適応住宅の解説」では、気候風土適応住宅に関する基準をはじめ、外皮基準に適合させることが困難と想定される要素、省エネルギー基準への適合の確認方法、各制度における気候風土適応住宅の取り扱いなどについても解説。「気候風土適応住宅チェックリスト」、適合確認を支援するWebプログラム、気候風土適応住宅に関連する法令なども紹介している。
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