パテント・リザルト(東京都文京区)は7月10日、ゼネコン業界の特許を対象に、2023年の特許審査過程において他社特許への拒絶理由として引用された特許件数を企業別に集計した「ゼネコン業界 他社牽制力ランキング2023」を発表した。2023年に引用された特許数が多かったのは、1位清水建設(450件)、2位大成建設(375件)だった。3位と4位は昨年と入れ替わり、鹿島建設(334件)が3位に上昇し、竹中建設は4位に後退した。
1位の清水建設の最も引用された特許は「超高強度コンクリートの調合方法」に関する技術で、三井住友建設や大林組などの計3件の審査過程で引用されている。このほかには「労務管理システム」に関する技術が引用された件数の多い特許として挙げられ、グローリーなどの計3件の拒絶理由として引用されている。同社特許による影響を受けた企業は、竹中工務店(38件)、次いで大成建設(28件)となっている。
2位の大成建設の最も引用された特許は「木質耐火部材」に関する技術で、竹中工務店などの計5件の審査過程で引用されている。このほか「空調環境モニタリングシステム」に関する技術が引用された件数の多い特許として挙げられ、パナソニックなどの計5件の拒絶理由として引用されている。同社特許による影響を受けた企業は竹中工務店(35件)、次いで鹿島建設、清水建設(いずれも23件)。
3位の鹿島建設の最も引用された特許は、4社の共同出願である「緊急地震速報を用いた地震防災システム」に関する技術で、清水建設の「地震動評価モデル生成方法」関連特許など計5件の審査過程において拒絶理由として引用されている。同社特許による影響を受けた企業は竹中工務店(27件)、次に清水建設(23件)だった。
4位の竹中工務店は「容易に追尾対象物の自動追尾が可能な電動走行台車」、5位の大林組は「泥水シールド工法における切羽水圧の制御方法」が、最も引用された特許として挙げられている。
同ランキングは、2023年12月までに公開されたすべての特許のうち、2023年1月から12月末までの期間に拒絶理由(拒絶理由通知または拒絶査定)として引用された特許を抽出したもの。これにより直近の技術開発において競合他社が権利化する上で、阻害要因となる先行技術を多数保有している先進的な企業が明らかになるとしている。
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