インテリアコーディネーターでキッチンスペシャリストの奥村公子さん(アルファ・スパッチオ代表取締役)が6月12日、今年4月のミラノサローネ国際家具見本市やミラノデザインウィークの現地取材をもとに、キッチンの最新トレンドなどを分析し解説するセミナーを開催した。インテリアコーディネーター、建築士、設計士など20人余りが参加した。
今年のミラノサローネ全体のテーマは「進化」。「変化」ではなく、今まで引き継いできたものに新しさを加えながら、さらに発展させていく「進化」が至るところで表現されていたと話す。キッチンも、特に50年代・70年代のデザインや素材感を融合させ新たなトレンドを生み出している事例が多く見られたという。
奥村さんはその中で、今年のトレンドの一つとして「ボーダレス」を挙げた。キッチンはセグメントで分けるものではなく、ダイニングやリビングはもちろん、洗面、ベッドルームなどにもつながり相互に関係しうる存在。キッチンを起点に生活シーンを描き動線を考え、住宅をデザインしていく流れが今後さらに加速していくとする。
また、「サスティナブル」は、トレンドという表現に当たらないほど大きな潮流となっている。企画、デザイン、製造、商流、廃棄に至るまですべてのバックボーンに「サスティナブル」が位置付くという。アウトドア志向も健在。その表れとしてアウトドアキッチンが多数提案された。照明にもトレンドが見られた。ワークトップ下部にLED照明を組み込むことで浮遊感を醸し出したり、ガラスキャビネットに縦に組み込んだライン照明がラグジュアリーなキッチンを演出するといったLED ならではの照明使いがされていたという。「パーソナライズ」も大きなトレンド。自分の個性や生き方を尊重するための多くの選択肢が提案された。
最新のキッチン、パーツ・周辺機器などを豊富な写真や動画で紹介しながら、今年のトレンドや2026年に向けての動向を奥村さん独自の切り口で解説する連載が、新建ハウジングDIGITALで始まります!(7月中旬予定)
この記事は新建ハウジング7月10日号13面(2024年7月10日発行)に掲載しています。
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