外装工事の片山外装は6月6日、燕市内に整備した窯業系サイディングのプレカット工場(三条燕工場)を本格稼働させた。コストを抑えながら、加工・施工精度の向上により、外壁の高品質化を実現。工業化による職人の働き方改革(作業負担の軽減)も進め、職人不足問題や若手人材の確保にも対応していく。同社社長の片山拓哉さんは「単に自社の事業としてだけではなく、業界をイノベーションするつもりで普及に取り組む」と意欲を見せる。
サイディングプレカットは、これまで現場で職人が行っていたカット加工(手切り)を、専用機械によって工場内で行うもの。人力による現場加工を工業化することで、工期を大幅に短縮。手加工に比べて格段に寸法精度が向上するため施工精度も高まり、それにより耐候・耐久性の向上を含めて外壁の高品質化を実現する。片山さんは「僕らは施工会社だからこそよくわかるが、複雑な形状や穴開け、アールなどもコンマ何ミリという精度で正確な加工が可能になる」と説明する。同時に、サイディングの現場加工にはつきものとも言える騒音や粉塵、残材の処分がなくなるため、近隣や環境への対応にも優れた工法とも言える。
サイディングプレカットシステムは、富国物産(長野県長野市)が展開する「FBシステムデジタル」を導入した。3Dレーザー計測器によって現場採寸を行い、計測したデータを加工データに変換してプレカット加工機にインプットしてプレカット。住宅1棟であれば、採寸した翌日には、計測データから起こした施工図面と合わせて、プレカット済みのサイディング材一式を現場に搬入できる。
片山さんは「一般的なケースで外壁の施工に10人工かかるとすれば、それを5.5人工に削減できる」としながら、同システムについて「ライカ社製の計測器の採寸精度がとにかく高いうえに、ほぼ100%に近いレベルで現場での加工が必要なくなるため導入効果が大きい」と話す。
現場加工と価格は変えずに 本気で普及を目指す
外壁の高品質化や工期短縮、近隣・環境への配慮といったメリットは・・・
この記事は新建ハウジング7月10日号9面(2024年7月10日発行)に掲載しています。
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