森大建地産(三重県伊賀市)は、地域社会への貢献度を高めながら、持続可能な経営基盤を構築していくために、昨年から福祉事業として障害者グループホームの整備・運営を行っている。すでに、県内2拠点で運営が軌道に乗り、今後も県内外で新たな計画も着々と進んでいることから、同社社長の森秀樹さんは自社の実績をベースに、同じ問題・目的意識を抱えている全国の工務店に対して、そのノウハウを提供していく考えだ。
同社は、建築家の飯塚豊さんとのコラボにより、デザイン性に優れ、パッシブハウスレベルの高い性能を備える住宅を年間2~3棟程度、コンスタントに受注。それらも含めて新築24棟ほどを安定的に手がけ、確かなブランドとポジションを築いている。しかし、森さんは、将来的な新築住宅市場の縮小なども見据えて先行きを楽観しておらず、「地域工務店の持続可能な経営に向け、住宅以外の収益源を確保することは避けて通れないテーマだ」と訴える。
そこで同社は昨年、国が中小企業の新分野展開を後押しする事業再構築補助金約4000万円を活用しながら、約1億円を投じて、「日中支援型」(24時間体制で入居者の状況や体調に応じた支援サービスを行う)の障害者グループホーム(木造平屋・延べ床面積392㎡)を建設。同年5月にオープンした。入居10人(10室)・ショートステイ(短期入所)1人の定員規模で、運営も自社で行っている。
国の障害者グループホームの人員基準に基づき、社員として、施設管理者(施設長)1人と、金銭や健康面の管理などをサポートする世話人2人の計3人を配置。パートとして入居者との面談に基づき個別支援計画の策定などを行うサービス管理責任者(有資格者)1人と生活相談や食事、入浴などのサポートを行う生活支援員10人ほどが勤務している。
森さんは、これまでの実績を踏まえて・・・
この記事は新建ハウジング7月10日号4面(2024年7月10日発行)に掲載しています。
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