国土交通省は6月28日、自然災害の再被災防止のために緊急的に実施する「防災・減災対策等強化事業推進費」について、2024年度の第1回配分を発表した。国・地方公共団体が実施する29件の公共事業(河川・道路・海岸・下水道・農業)に対し、48億2600万円の予算配分を決定している。
配分予算は被災地域での災害対策分として、洪水・浸水対策〔河川〕7件(9億8500万円)、雪崩対策〔道路〕2件(4億2000万円)、崖崩れ・法面崩壊対策〔道路〕7件(13億2350万円)。事前防災対策分として、洪水・浸水対策〔河川〕3件(6億500万円)、侵食・高潮対策〔海岸〕1件(1億3500万円)、下水道施設の耐震対策〔下水道〕1件(1億1090万円)、崖崩れ・法面崩壊対策〔道路〕2件(4億5200万円)などが配分される。
都道府県別では、長野県(6件)、北海道(4件)、静岡県・岐阜県・高知県・鹿児島県・愛知県・兵庫県・香川県(各2件)、徳島県・福岡県・宮崎県・岡山県・和歌山県(各1件)で実施される。
このうち、4月17日~18日の豪雨で河岸洗堀が生じた静岡県浜松市の天竜川流域では、堤防決壊による後背地への被害を防ぐため、緊急的に河岸補修工(盛土工等)を実施する。同地域では自動車部品工場などでの浸水被害が想定されている。事業予算は3億500万円。
また、福岡県飯塚市の穂波川流域では、今年度に入って関係者との合意形成が得られたことから、洪水氾濫などによる災害から住民の生命・財産を守るため、河道掘削を実施する。同地域では浸水想定範囲内に、保育所や小学校、高齢者施設、コミュニティセンターなどが所在している。事業予算は3億円。
「防災・減災対策等強化事業推進費」は、大雨による浸水被害が発生した地域で、再度の被災を防止するため緊急的に実施する対策や、災害を未然に防ぐ事前防災対策に使われる予算。用地の確保など事業の実施環境が新たに整った場合などに、年度途中に機動的に予算配分がされる。
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