あいホーム社長の伊藤謙さんは、地域工務店における成長戦略として、パーパスの必要性を説いている。全社員を巻き込みながら策定し、そこから具体的な行動計画に落とし込む。激変する環境の中においても4期連続で増収増益を見込んでいる。
「最高のホームをつくろう」
2020年12月から約1年の歳月をかけて同社が策定したパーパスが「最高のホームをつくろう」だ。伊藤さんは、「パーパスは社内のあらゆる意思決定にも直結する。企業全体の生産性向上に深く関わる重要事項だ」と語る。同社はどのようなプロセスを踏んで策定に至ったのだろうか。
「普遍的で耐久性のあるパーパスをつくりたい」と考えた伊藤さんが、パーパス策定のためのプロジェクトを立ち上げてまず着手したのが「キーパーソンインタビュー」だった。75人いる全社員を対象に実施するのではなく、役職者のみならず、若手から中堅、ベテランまで、年次や役職に多様性が出るように人選した。
伊藤さんによると、そこでインタビューした質問項目は▽どんな会社だと思っているのか、▽どんな社員が多いか、▽どんな強みを持っているのか、▽どんな文化を持っているのか、▽どんな課題があるのか―など。
キーパーソンインタビューと同時に実施したのが「社員匿名アンケート」だ。企業ロゴのイメージや競合他社への優位性、自社に足りない要素、将来ありたい姿などを、あらゆる角度から尋ねていく。伊藤さんがプロジェクトにかける想いを伝えたところ、回答率は84%にのぼったという。
伊藤さんは、「どんな意見が出るのかと正直不安だった。しかし、それは杞憂だった。回答から改めて自社の強みなど全体像が見えてきた」と振り返る。
例えば強みの部分では・・・
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