重信工務店は2012年に設立し、滋賀県湖南市を主な商圏に注文住宅・建売住宅を提供。2017年からは不動産仲介業を開始し、製販一体の事業を展開してきた。社長の伊藤重信さんは「新築受注減少はより加速する」と見据え、経営の多角化で攻勢をかける。
不動産のノウハウを住宅事業に生かす
同社は注文住宅と分譲(建売)住宅に加え、不動産事業として土地・物件の仲介や売買サポート、中古戸建て・マンションの買取再販も手がけている。売上比率は住宅事業と不動産事業で半々程度だ。
しかし、近年では新築の受注数が減少する一方、不動産事業の伸び率が高い。伊藤さんは「23年度は半期を過ぎたあたりで新築受注が目に見えて減少していたので、買取再販事業に注力し、全体は黒字になった」と説明する。今後も新築受注の減少は加速し、厳しい状況が続くと見込む伊藤さん。不動産仲介業で得たノウハウを生かして、住宅事業のテコ入れを図るつもりだ。
フルリノベしたマンションの買取再販が好調
伊藤さんが新築の受注減を意識し始めたのは、創業から5年がたった2017年頃。それまでは口コミによる紹介で受注できていたが、急激に売上が落ちた。経営が立ち行かなくなることに危機感を覚えた伊藤さんは、川上を押さえて受注件数を増やすため、自社で不動産仲介業を手がけることに決めた。
ただし、伊藤さんは工務店出身者であり、不動産業の経験は皆無。そこで、工務店向けの不動産仲介業参入支援サービス「物件王」(VC)に加盟した。土地を入口としてグリップできるようになり「他社に流れていた顧客もつかめるようになった」と効果を実感している。
ただ・・・
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