菅谷工務店社長の菅谷伊佐央さんは、大手ハウスメーカー勤務を経て家業に戻り、2005年ごろから営業を1人で担当。当初は年間1~2棟だった新築受注件数を、平均15棟にまで増加させた。21年にはアフター戦略を強化し、オーナーからの紹介契約を飛躍的に増加させている。
菅谷さんは、ハウスメーカー勤務時代にもらった手紙のコピーを常に持ち歩き、初心を忘れないよう心がけている。また、そうした経験・知識から家づくりのプロセスを紹介する本を出版。営業活動を補填する教材として活用している |
営業を1人で担い、顧客と向き合い続ける
同社に専任の営業マンはいない。菅谷さんが集客から設計プランニング、現場管理に至るまで対応している。経営者として利益を意識しつつ、プレイヤーとして1人ひとりの顧客と向き合い続ける。顧客の思いに応えたいとするスタンスは、前職(大手ハウスメーカー)の経験に起因しており、菅谷さんは「ハウスメーカーで勤務していた時代にもらった引き渡しアンケート」のコピーを常に持ち歩いている。
当時、勤続1年目にして所属部署の営業所長が転勤となり、とある案件を引き継ぐことになった。「新人だったので右も左もわからなかったが、コミュニケーションだけは欠かさなかった」ため、トラブルもあったが無事に引き渡すことができた。
しかし、引き渡し後のアンケートには“教えてくれる情報が少なかった”“商品や仕様はもっと選択肢があったはず”、 “いろんなことができたと考えると、本当に悔しい思いをした1年だった”と書かれていたという。その後、2005年ごろに家業の同社に戻ることになるが、この苦い経験は菅谷さんの営業スタイルを確立する上で、今もなお影響し続けている。
無駄な見積もりを廃止し “営業しない営業スタイル”が伸びしろ
当時は、下請工事(大工工事のみ)で年間40棟ほどを受注していたが、景気が悪化し単価は下がり受注も減少。当時の社長(現会長)は、元請け中心の会社にシフトすることを決め、家業に戻った菅谷さんは新たな業態で一緒にチャレンジすることになる。元請けへの転換に向けて活動し始めたが・・・
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