愛知県・知多半島エリアの地域工務店7社は今年4月、各社が分譲型モデルハウスを出展して共同で運営する住宅展示場「なないろハウジングギャラリー」(半田市)をオープン。ライバルとも言える工務店同士が協働し、地方の住宅市場を直撃する“集客危機”を突破する。
地域工務店を取り囲む市場環境が厳しさを増し、先行きも不透明だからこそ、地域の工務店同士が競争から協働に向かうことが重要と捉える。それを共同展示場という形で具現化。地域工務店の手で、地域の人たちの快適・健康で省エネな住まいを広げていく |
「何か手を打たなければ」
出展したのはアスイエ、K’z Home、知多ホーム、名東木材、平松建工、豊和住建、リバウスホームの7社。いずれも同エリア内に本社を構える年間新築受注が5~6棟未満の小規模工務店だ。この展示場を共同運営する組織でもある7社でつくる「なないろハウジングプロジェクト」の会長を務める豊和住建社長の川口由洋さんは、共同展示場を整備するに至った背景について「近年、特に戸建て新築市場の集客の落ち込みが顕著で、各社ともに強い危機感と『今のうちに何か手を打たなければ』という思いが共通していた」と振り返る。
この合同展示場は、マーケティング会社のツタエル(東京都小金井市)が、全国各地の工務店を支援して展開するビジネスモデルで、なないろハウジングギャラリーも同社のアドバイスを受けながら昨年から本格的な準備を進めてきた。単に集客・受注増を目指すだけでなく、性能に優れる住宅によって地域の人たちの快適・健康で省エネな暮らしを支えることや地元の活性化(定住促進など)、脱炭素社会や循環型経済の構築にも貢献していくことを重要なミッションとしている点が特徴だ。
同展示場には、断熱等級7の高性能住宅やコロナ禍で変化した暮らしのニーズを取り込んだ人気の平屋、注目度が高まっているモバイルハウスなどさまざまなモデルが立ち並ぶ。来場者は1カ所で、地域工務店が手がける多種多様な住宅とその空間を体感できる。
常駐の専属スタッフが案内
展示場内には常設の「センターハウス」があり、出展各社の社員ではないギャラリー専属スタッフが常駐。来場者をエスコートしながら、各モデルの特徴や売りについて、第三者の立場から顧客(見学者)の目線に寄り添って丁寧に説明する。見学の際にはアンケートを回収し、気になった住宅やさらに詳しい話を聞いてみたい工務店に関しての情報をヒアリング。その後は・・・
続きは「あたらしい工務店の教科書」(2024年6月30日発行、定価2420円)P48〜でお読みいただけます。定期購読者の皆様には新建ハウジング6月30日号の付録としてお届けしています。
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