サトウ工務店は、市場動向に関わらず、代表の佐藤高志さんの「目の前の施主と未来の施主のために」、「つくり手としても後悔しないように」、「いまできる最高の性能を」という考えを形にした家づくりを実践。それが結果的に、受注や経営の安定化につながっている。
常に未来を見据え、いまできる最高の性能を具現化し、家づくりをアップデートし続ける。現在は断熱等級7、耐震等級3(許容応力度計算)+制震テープ、安全持続性能☆☆☆(最高等級)、大型パネル工法が全棟標準 |
新築には重い責任が伴う
佐藤さんは「住宅は人間よりも長生きをする。だから工務店は、目の前の施主のためだけでなく、未来の施主のこともイメージしながら、社会的な財産となるような家をつくる必要があるのではないか」と投げかける。すでに増え続ける空き家が深刻な社会問題となっている。今後、人口減少が加速し、さらに住宅が余っていく市場環境で、佐藤さんは「新築を手がけることには、とても重い責任が伴う」とする。
佐藤さんは「地域の工務店は、未来の社会のために、将来的に空き家となってしまうような住宅をつくってはならない」とし、「快適で健康な暮らしを担保する性能、時代遅れとならないデザイン、素材など、長期にわたって使い続けることができ、同時に資産価値を保つことができる住宅をつくっていかなければ」と力を込める。
こうしたベースにある思想が、「つくり手としても後悔しないように」、「いまできる最高の性能を」という考え方につながり、それを形にしていくのがサトウ工務店の家づくりだ。外観的なデザインに関しては、周辺環境や敷地条件に、構造・温熱・耐久性の基本性能や使いやすさなども加味しながら、自然に導かれる「これしかない」という形を絞り込んでいく。「住宅のデザインに、設計者個人が考える装飾的な要素は必要なく、住まう人の幸せや健康に責任を持ちながら、長く使っていく(残っていく)のに必要な要素をまとめていく作業が、自分が考える住宅のデザイン」と佐藤さんは説明する。
全棟、断熱等級7×耐震等級3
性能については「いまできる最高を」との考えのもと、断熱等級7、耐震等級3(許容応力度計算)+制震テープ、安全持続性能☆☆☆(最高等級)を標準仕様とし、ここを顧客の要望に応じて崩すことはしない。また、プランニングの段階から構造・断熱・意匠を一体的に検討することを鉄則とし、施工品質を確保するための大型パネル工法も全棟で採用している。構造や内・外装材に用いる木材については、まずは新潟県産材を活用することを前提とし、県産材で適材が見つからない場合は国産材を使用する。
こうした家づくりを、ぶれることなく貫いてきたことが・・・
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