PASSIVE STYLEは、温暖地との意識が強い鹿児島にあっても“世界基準のいい家”だけをつくり続ける。社長の馬場龍仁さんは、創業時から「正しい価値を伝える」ことを徹底し、物価高が続く中でもその価値を理解した顧客から、まっとうな価格で受注を得続けている。
性能が低く、新建材を多用した日本の家づくりに疑問を呈し、“世界基準のいい家”だけをつくり続ける。他社より高額だが、海外の情報と比較してその価値を明確化し、価格もブランドも落とすことなく受注を得ている |
5000万円台でも価値があるから 「世界一安い家」
新築の平均単価は5000万円台という同社の住宅だが、受注は年間10棟ペースで安定している。集客数にも変動はないという。建築費が高い分、地価の安い郊外の土地を勧めたりはするものの、むやみに価格を下げるようなことはしない。
馬場さんにとって、価格は価値の証でもある。「(性能の低い)ローコスト住宅は、価値がないから価格を下げて気を引くしかない」。対して、世界基準の自社の住宅は、ランニングコストや資産価値も含めて「世界一安い家」と自負している。
初回はレクチャー4時間 日本の問題を比較であぶり出す
初回接客では、馬場さんがみっちり自社の家づくりの価値を説明する。午前は9時、午後は1時から、3~4時間かけて顧客と向き合う。基本は対面で行うが、県内の離島在住者からアプローチされることがあり、その場合はオンラインで行う。
“世界基準のいい家”の価値を理解してもらうために、馬場さんは「比較」を多用する。家づくりやまちなみについて、日本の現状と世界の状況を比べながらレクチャーして「お客様が当たり前と思っている日本の家づくりやまちなみの常識」を打破する。
ただ断熱・省エネ性が高いことだけを伝えても、全ての人に響くわけではない。「それだけを目的に家を建てる人はいないが・・・
続きは「あたらしい工務店の教科書」(2024年6月30日発行、定価2420円)P46〜でお読みいただけます。定期購読者の皆様には新建ハウジング6月30日号の付録としてお届けしています。
有料会員の方は「あたらしい工務店の教科書」を紙面ビューアーでご覧いただけます。
複数購入したい方や有料会員以外の方は、Amazonからご購入いただけます。
住宅ビジネスに関する情報は「新建ハウジング」で。試読・購読の申し込みはこちら。