ゼネコン大手の鹿島は1日、工事現場での労働災害を防ぐため、安全訓練を受けられる移動式施設の運用を始めたと発表した。中型トラックの荷台に落下物の衝撃を体感できる装置など9種類の装置を搭載し、各工事現場を回る。社員だけでなく、協力会社の技術者・技能者にも安全訓練を受講してもらい、労災の削減につなげる。
安全体感施設の名称は、「カジマセーフティーキャラバン」。仮想現実(VR)を活用し、墜落を疑似体験できる装置など重大事故につながるおそれのある事故の内容を実際に体感できる。今年度は首都圏を中心に約20カ所の工事現場での安全訓練の実施を目指す。
鹿島によると、工事現場では墜落や転倒、重機との接触などが大きな事故につながるという。同社では、これまで若手社員を対象に安全体感訓練を教育訓練施設で実施してきた。しかし、全国各地の工事現場で働く技術者・技能者が一堂に集まり訓練を受けてもらうのは難しく、課題となっていた。
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