国税庁は7月1日、相続税や贈与税の算定基準となる2024年分の土地の路線価(1月1日時点)を公表した。住宅地や商業地などを含む標準宅地の評価基準額は全国平均で前年比2.3%増となり、3年連続で上昇した。
現在の評価基準額の計算方式が導入された10年以降で、上昇率は最大となった。昨年5月に新型コロナウイルスの感染症法上の位置付けが「5類」へ引き下げられて経済活動への影響が薄まり、地価の上昇基調が強まっている。
都道府県別では、29都道府県で上昇。福岡が上昇率5.8%で最も高く、沖縄が5.6%で続いた。都心部のオフィスやマンションの需要拡大などが影響したとみられる。
青森、静岡は横ばい。下落したのは栃木など16県で、前年より4県減った。下落率も12県で縮まった。
都道府県庁所在地の最高路線価の変動を見ると、上昇が37(前年29)で、横ばい9(同13)、下落1(同4)。上昇率が最も高かったのは千葉市の14.9%で、さいたま市の11.4%が続いた。千葉、大宮両駅前の再開発を反映した。23年分の千葉市は、市街地再開発による調査地点変更に伴い、22年とは比較できなかった。
路線価の最高額は東京・銀座の鳩居堂前で、1平方メートル当たり4424万円。39年連続のトップで前年比3.6%上昇した。新1万円札1枚当たりの面積で、約53万8000円となる。
今回、国税庁は能登半島地震が「特定非常災害」に指定されたことを受けて調整率を公表した。石川、富山、新潟3県の全域が対象で、石川・輪島市と珠洲市の一部で0.55となり、地価下落が一番大きくなった。
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