政府が6月21日に閣議決定した2024年版「高齢社会白書」 によると、高齢者の幸福感と居住している住宅への満足度に強い相関関係があることが分かった。安心して高齢期の生活を送るためには、生活の基盤となる住まいの確保や、良好な生活環境の整備が重要だとしている。
住宅と満足度の関係をみてみると、住宅の満足度が高くなるほど、幸福感を「十分感じている」「多少感じている」と回答した割合が高かった。逆に、住宅への満足度について「あまり満足していない」「まったく満足していない」と答えた人は、幸福度を感じる割合が低いという結果になっている。
居住している住宅のどこに不満を感じているかについては、「住まいが古くなり、いたんでいる」(29.5%)、「地震、風水害、火災などの防災面や防犯面で不安がある」(24.4%)、「断熱性や省エネ性能が不十分」(16.9%)といった回答が多かった。特に持ち家の場合に、住宅が広すぎることや部屋数が多すぎること、防災・防犯面での不安が、賃貸住宅に居住している人に比べて高い割合となっている。
住まいに何を求めるかについては、「手すりが取り付けてある、床の段差が取り除かれているなど、高齢者向けに設計されていること」(男37.0%・女45.3%)、「災害や犯罪から身を守るための設備・装置が備わっていること」(男29.7%・女35.5%)、「プライバシーが確保されていること」(男28.3%・女26.3%)などの回答が多かった。
持ち家の7割「住み替え意向なし」
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