石川県は6月27日、発災から半年を迎えた能登半島地震後の現状について報告した。
上下水道の復旧状況については、水道発災直後に16市町・約11万戸で断水したが、5月時点でほぼ解消。土砂崩れや建物倒壊などによる早期復旧困難地区のうち、輪島市501戸、珠洲市970戸のみ断水が継続している。下水道は上水道の復旧に合わせて流下機能の確保を進めている。
一方、断水解消後も宅内配管の修繕が必要な状況が続いているため、県では地元以外の工事業者を手配する受付窓口を設置。地元以外の業者が修繕工事を行う場合のかかり増し経費に対する補助を行っている。6月24日時点での地元業者以外の対応状況は、修繕の受付が235件、工事業者手配済みは160件、受付後に地元業者を確保できたことによるキャンセルは60件となっている。
仮設住宅の必要戸数、6月に増加
応急仮設住宅の供給状況は、6月27日時点で着工が6642戸、完成が4943戸となった。仮設住宅の必要戸数は3月、4月には減少したが、6月末の時点で6810戸に増加した。その理由について馳浩知事は「家を修繕して家に戻りたいという人が一時増えたが、総合的に判断した結果、やはり仮設住宅に入ることを決断した人が増えたから」と説明。原則8月中に必要戸数の完成を目指し、市町から要請があれば、追加で新規着工を行うとしている。
公費解体完了は468棟
公費解体については、申請棟数が2万865棟、着手棟数が2601棟、完了棟数が911棟となった。解体が完了した建物のうち、公費解体は468棟、緊急解体は217棟、自費解体は226棟。申請書類の審査や解体費用の算定作業が遅れていることから、5月から専門コンサルタント職員を約200人増員し、対応に努めている。解体事業者の不足については、隣県や全国団体への依頼を検討中だとした。
家屋が倒壊などにより滅失し、建物所有権が消滅した建物については、このほど所有権を有する全員の同意がなくても、解体することが可能となった。これにより輪島朝市エリアで264棟の家屋などに対して、法務局による職権滅失登記が完了。172棟で公費解体を行った。
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