日本商工会議所(日商)は6月28日、円安が中小企業に与える影響に関する調査結果を公表した。それによると、現在の円安について「デメリットが大きい」と回答した中小企業の割合は54.8%で、全体の5割を超えた。「メリットが大きい」と回答した企業は2.3%にとどまり、足元の急激な円安進行が、中小企業の業績に与える悪影響が強まっていることが浮き彫りとなった。
具体的なデメリットを複数回答で聞いたところ、「原材料、部品、商品等の仕入れ価格上昇」が最も多く、88.6%を占めた。次いで「燃料、エネルギー価格の上昇」が77.5%だった。「仕入れコストを販売・受注価格へ転嫁できず収益が悪化」と答えた企業も43.4%に上った。
円安による収入の目減りを嫌って外国人労働者の求職が減少しているとの声も聞かれ、日商は「中小企業は人手不足のため、インバウンド消費の増加など得られるはずのメリットを取り込めていない」と分析している。
調査は全国の会員企業2506社を対象に6月に実施し、2008社から回答を得た。
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