大和ハウス工業(大阪市)とダイキアクシス(愛媛県松山市)は6月28日、家庭の生ごみを利用して建物共用部に電力を供給する施設内設置型の小型バイオガス発電システムを開発したと発表した。100戸規模のマンションから対応可能。
同発電システムは、マンションに導入されるディスポーザーと連携し、各住戸で処理された生ごみから燃料のバイオガスを生成。バイオガスコージェネレーションシステムで発電し、再生可能エネルギー100%の電気をマンション共用部照明などの一部に供給する。100戸規模のマンションの場合、1日当たりの発電量は約8kWh。年間の共用部消費電力の約20%を賄うことが可能で、約7.8t-CO2の二酸化炭素削減効果が見込めるという。停電時には、ガス化装置内のバイオガスを利用して電気を供給、利用することができる。
一般的にバイオガス発電システムは大型のものが多いことから、両社はマンションなどでも対応可能な同システムを開発。住宅設備として近年人気のあるディスポーザーと連携することで、追加コストを抑えることができるという。生ごみの固形分は、新たに開発した固液分離装置によって原料を濃縮することで効率的に回収。従来と同等のガス化性能を確保しながら、6分の1程度までガス化装置の小型化を実現した。毎日の洗浄作業も不要のため、メンテナンス作業も大幅に削減した。
今後は、大和ハウス工業が開発する分譲マンションへの採用を予定。また、同社が開発する商業施設や事業用施設への設置も検討している。
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