サンハウスはコロナ直前の2019年、顧客の要望を何でも叶える注文住宅から、建築・住宅のプロとして良いと思うものを自信を持ってすすめるデザイン、性能に優れる「提案住宅」に全面的に切り替えた。結果的にそれが、コロナ禍においても安定的な経営を維持する最善策となった。
「日本エコハウス大賞」が転機に
スタイルを切り替えるスイッチとなったのは、社長の野辺裕章さんが個人的に進退をかけて臨んだ「2019年(第5回)日本エコハウス大賞」(主催:建築知識ビルダーズ)で、自身が設計した自邸「はじめてのエコハウス水戸の家」が新築部門の大賞(最優秀賞)を受賞したことだ。それまで建築家の中村好文さんや伊礼智さんらに憧れて独学で養った設計のイメージや、メディア・書籍などを通じて蓄えた性能に関する知識など、「やりたい建築をやり切って」応募した。
建築・住宅のプロとして良いと思うものを自信を持ってすすめる「提案住宅」を展開。高い基本性能を確保したうえで、その土地の歴史や文化といった“地域性”を建築的に表現。普遍的な美しさと、他にはない魅力の両立を目指す |
野辺さんは「そのときの当社は、大手ハウスメーカーやパワービルダーで予算の合わない人たちがメインの顧客層で、そうした人たちの要望をそのまま形にする1000万円台後半~ 2000万円ぐらいの昔ながらの注文住宅を手がけていた」と当時を振り返る。そんななかで野辺さんは、経営的な行き詰まりを感じながら、何よりも「建築が面白くない」という思いを募らせていた。そのため、「自分がやりたい渾身の建築(住宅)で、憧れの伊礼さんたちが審査員を務める日本エコハウス大賞で箸にも棒にもかからなかったら、家づくりの仕事(工務店経営)をあきらめようと思っていた」という。
この受賞をきっかけに・・・
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