国土交通省の国土技術政策総合研究所(国総研)と建築研究所は6月14日、能登半島地震で被害を受けた石川県能登地方の「鉄骨造建築物および建築物の非構造部材の被害調査結果」を報告した。石川県輪島市、七尾市、珠洲市、穴水町、能登町の公共施設、教育施設などのうち、被害が大きかった鉄骨造建築物について外観・内観を調査している。調査期間は2月28日~3月28日。
外観調査では、調査した建築物のうち3棟で倒壊や崩壊を確認。2・3階建ての2棟は1階が崩壊し、3階建ての1棟は2・3階が崩壊していた。これらの建築物では、柱にH形鋼または日の字断面を用いていた。また、外壁などの広範囲が脱落し、構造部材の損傷があった建物では、ブレースの座屈、たわみ、接合部のボルト破断、露出柱脚のコンクリート破壊、アンカーボルト破断、柱脚の移動などが認められた。
このうち輪島市内の3階建ての建物(事務所用途)では、2・3階部分が2階の脚部から西側に倒壊。この建築物の東側と南側に3階建ての木造住宅が増築されていたことが想定されたことから、平面的に不整形だった可能性があると分析した。倒壊した鉄骨造建築物の平面形状は長方形で、その短辺方向に倒壊している。空中写真などから1975年以前に建設された旧耐震基準の建築物とみられる。
改修履歴不明の建物で被害多数
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