国土交通省は6月21日、2024年度の「スマートシティ実装化支援事業」として13地区を選定した(PDF)。先進的技術や官民データを活用し、都市活動や都市インフラの管理・活用を高度化する「スマートシティ」に関する取り組みを支援する。
選ばれた地区は、東京都千代田区・港区・江東区・大田区、愛知県岡崎市、三重県四日市市、大阪市、福島県会津若松市、京都府けいはんな地区(精華・西木津地区)、兵庫県加古川市、和歌山県すさみ町、広島県東広島市、香川県高松市。
愛知県岡崎市の「都市再生の全工程支援型スマートシティ構築事業」では、データ活用による都市計画の高度化を実施。157haのエリアで人流を創出するウォーカブル(歩きたくなるまちづくり)を推進し、公共空間整備・活用、民間投資誘導を行う。また、市の取得データを公・民が土地利用検討時の基礎データとして利用できる仕組みを構築。提供データにより、土地利用の各主体がシミュレーション、デザイン・設計の検討を手軽に行えるようにする。予算額は4000万円。
防災ドローン航路作成を「プラトー」で
和歌山県すさみ町の「観光拠点・防災道の駅中心の観光/防災の高度化・自動化事業」では、南海トラフ地震対策として防災の高度化を実施。▽津波発生時の住民の高速高台避難▽ドローンによるインフラ損傷点検▽マルチタスク車両による移動行政機能▽防災観光ポータルによる情報発信―などを実現する。
安心・安全な町づくりでは、都市デジタルツイン実現プロジェクト「PLATEAU(プラトー)」を活用し、災害時のドローン回避行動航路を作成。平時・有事ともに活用できる点検・放送・物流ドローンにより、津波警報、危険箇所の把握、避難場所から避難所への移動可否判断、孤立避難所への必要物資の運搬、ツアー客への防災情報の提供などを行う。予算額は1800万円。
他に、三重県四日市市の「四日市スマートリージョン・コア推進事業」では、3D都市モデルを活用したデジタルインフラ台帳の有用性の実証、兵庫県加古川市の「デジタル・デザインを活用した市民中心の課題解決型スマートサービス実証事業」では、デジタルツールを活用して市民がまちづくりに意見やアイデアを表明できる環境の構築、香川県高松市の「高松中心市街地プロムナード化検討事業」では、自治体が保有するインフラ・不動産情報などと駐車場情報を連携させた駐車場の予約・決済サービスの実装―などの取り組みを実施する。
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