日本政策投資銀行(DBJ、東京都千代田区)、DBJアセットマネジメント(DBJAM、東京都千代田区)および日建設計(東京都千代田区)はこのほど、既存オフィスビルのエネルギーを“ゼロ”に近づけるリノベーション「ゼロエネルギーリノベーションプロジェクト(“ゼノベ”プロジェクト)」を始動したと発表した。
3社は2022年11月に、各社の不動産関連事業の強化と、不動産業界のネットゼロ実現に向けた環境改修モデルの構築とその普及・浸透を目的とする協業を開始。今回の既存オフィスビルの環境性能向上を目指す“ゼノベ”プロジェクトも、同協業の取り組みの一環として展開する。
同プロジェクト第1弾として、築55年のオフィスビル「日建ビル1号館」(大阪市)の環境改修を実施する。2025年3月竣工予定。DBJと日建設計は、DBJAMが組成・運用を行う合同会社Green Building Ecosystemを通じて同ビルを取得。断熱性能の向上や空調システムの容量・仕様の見直しなどによりZEB Readyを達成し、建築・ファイナンス・ESG等の知見やノウハウを活用した環境改修を行う。環境価値と経済価値を両立させるとともに、不動産市場における新たな付加価値の創造を目指す。
日建設計は環境改修のノウハウを活用し、都市と建築のネットゼロを先導することで「社会環境デザイン」の実現を推進。DBJグループは、不動産証券化分野における実績・ノウハウを活用し、日建設計との事業展開および環境改修モデルの普及・拡大を進めていく。また、民間金融機関等と連携し、顧客ニーズに応えることで不動産金融市場の活性化をサポート。DBJは、「特定投資業務」の一類型である「グリーン投資促進ファンド」を活用する。
2050年ネットゼロの実現に向けて、不動産業界にも温室効果ガス排出量の削減が求められており、既存ビルの環境性能向上はネットゼロ達成に不可欠な取り組みとなっている。建築工事費の高騰や建築物の建て替えに伴う環境負荷も懸念されるなか、3社は資源の有効活用とエネルギー削減を目指す“ゼノベ”プロジェクトを推進、拡大したいとしている。
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