大建工業(大阪市北区)はこのほど、同社の調湿性能を持つ天井材を使用した際の部屋干し時間の短縮に関する実証を行い、調湿天井材で仕上げた空間は、クロス仕上げの空間に比べ、洗濯物の乾燥スピードが速くなることを確認した。
使った調湿天井材は「クリアトーン12SII」。実験では、クリアトーン12SIIで仕上げた部屋と、天井をビニールクロスで仕上げた同じ大きさの部屋を用意し、それぞれに洗濯後のタオル24枚を部屋干しした。検証は昼干し(9から15時)と夜干し(18から翌7時)の2回行い、時間経過ごとの洗濯物含水率と室内の相対湿度を測定した。
その結果、天井材がクリアトーン12SIIの部屋は、ビニールクロスの部屋と比較し、洗濯物の乾燥スピードが短縮され、約6時間でほぼ乾燥した。また、ビニールクロスの部屋と比べ高湿度状態も抑制された。
近年、共働き世帯の増加や花粉等への対策のために、洗濯物を部屋干しするケースが増えているが、部屋干しは乾燥までに時間がかかり、洋服に雑菌が繁殖、においが発生しやすいなどの問題がある。においの発生を防ぐためには、洗濯物を早く乾かすことが重要となる。
この実証実験の結果については、6月23日に繊維に関わる研究をメインテーマとする日本繊維製品消費科学会の2024年度年次大会で発表。同社は今後も、実証結果を製品開発や提案活動に生かしていくとしている。
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