富士通ゼネラル(神奈川県川崎市)は、全国の20代から60代の男女500人を対象に、自宅におけるカビに関する意識調査を実施した。エアコンは手入れの複雑さや煩わしさから、カビが気になってもそのままにしてしまう「見て見ぬふり家電」であることが浮き彫りになった。調査期間は2024年4月30日から5月2日。
「カビが気になる場所」としてお風呂・エアコン・洗面所・キッチン・トイレについて掃除の頻度を質問したところ、エアコン以外は約6割以上が「週に1回程度」と答えたのに対し、エアコンは約5割(50.8%)が「年に1回以下」しか掃除をしないことが分かった。また、「エアコンのカビが気になったことがある」と回答した人でも、約5割(49.4%)が掃除頻度は「年に1回以下」と回答している。
さらに、「エアコンのカビ対策で困っていること」について尋ねたところ、「どこまで手を出して良いか分からない」と回答した人が最も多く、約5割(51.9%)にのぼった。他に「カビが生えているか見えない箇所がある」(45.8%)、「手が届かない箇所がある」(45.2%)が続いた。カビ対策をしていない理由では「やり方が分からない」が最も多く、約6割(57.4%)となっていることから、エアコンの複雑な構造による手入れの煩わしさから、エアコンの掃除の頻度が少ないことが推測される。
「エアコンのカビ対策として、冷房・除湿の運転を停止した後に内部を乾燥させた方が良い」ことを知ってるか尋ねたところ、 5割超(54.6%)の人が知らないと回答した。
この調査について、千葉大学真菌医学研究センターの矢口貴志准教授は、カビが発生しやすい条件に、温度(20~30℃ )、湿度(60%以上)、栄養分(ホコリ、汚れなど)の3要素を挙げる。「冷房運転後のエアコン内部は高湿度になるため、カビが発生しやすい条件が揃っており、外側からは見えていない“隠れカビ菌”が潜んでいる可能性が高い」と話す。
エアコン内部でのカビの発生を防ぐには、内部乾燥機能で湿度を抑え、フィルター清掃で栄養分を減らすことが重要とし、内部乾燥機能がないエアコンの場合は、冷房、除湿運転の後に30分から1時間程度、送風運転を行うことを勧めている。
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