東京カンテイ(東京都品川区)は6月20日、5月の三大都市圏・主要都市における中古マンション70㎡あたりの価格を発表した。首都圏は、前月比0.5%増の4627万円と3カ月ぶりに上昇した。東京都は6482万円(同1.7%増)と強含んで年初来の高値を更新し、首都圏全体の価格を押し上げた。埼玉県は2876万円(0.1%増)、千葉県は2715万円(0.7%増)とプラスを示したが、いずれも前年同月を下回る状況が続く。神奈川県は3600万円(0.1%減)と、3月以降小幅な動きにとどまっている。
都市別では、東京23区が前月比2.1%増の7386万円と3月に記録した直近の最高値を更新。都心6区が2.9%増の1億1924万円と16カ月連続上昇するなど、全域的に上昇した。特に中央区・港区・新宿区・渋谷区で2~4%台の高い上昇率を示している。周辺エリアも上昇したが、都心部との差を縮めるまでには至らなかった。一方、横浜市(0.6%減)、さいたま市(1.4%減)は昨年7月を境にピークアウトしつつあり、前年同月を下回る状況が続く。千葉市(0.4%減)も小幅ながら2カ月連続下落し、直近のピークだった3月からやや水準を下げた。
近畿圏は弱含み、中部圏は3カ月ぶりに上昇
近畿圏は前月比0.1%減の2842万円とわずかに下落。大阪エリアの事例シェア縮小や兵庫エリアの弱含みなどが近畿圏全体に影響した。大阪府は1.1%増の3077万円と2カ月連続上昇。大阪市や豊中市が牽引し、上昇率も拡大した。一方兵庫県は1.2%減の2448万円と、年初来の最低値を更新した。都市別では、大阪市が前月比2.4%増の3991万円と2カ月連続上昇。上昇率も大きく拡大し、前年同月比は11カ月ぶりにプラスを示した。市中心部では3.7%増の5753万円と5カ月連続上昇。福島区・北区で築古物件が減少したこともあり、前月比・前年同月比ともに上昇率が大幅に拡大した。神戸市(2.3%減)は、価格水準が最も高い中央区での弱含みや事例数減少などが影響し、6カ月ぶりに2600万円を割り込んだ。
中部圏は前月比1.3%増の2245万円、愛知県は1.2%増の2376万円といずれも3カ月ぶりに上昇したが、前年同月比は2%~3%程度マイナスの水準が続く。都市別では、名古屋市が前月比1.9%増の2776万円と3カ月ぶりに上昇し、2月の水準まで回復した。前年同月比は1.6%減とマイナスが続くが、下落率は1%台まで縮小している。市中心部では2.6%増の3713万円と連続上昇し、前年同月比もわずかにプラスに転じた。
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