国土交通省は6月21日、空き家対策の一環として、自身の死後に持ち家などをどのように処分、活用してほしいかを書き込む「住まいのエンディングノート」を作ったと発表した。相続した家族がどう処分していいか分からず放置することを防ぐため、あらかじめ情報を整理して家族と話し合ってもらう狙い。
ノートは全13ページで、同省ホームページなどにPDFで掲載。印刷したものを自治体や司法書士会を通じて高齢者に配布する。法務省が財産全体の処分方法を記すノートを作成しているが、不動産に特化したものを国が作るのは初めてとみられる。
ノートには、所有したり借りたりしている建物・土地を書き出して「売却してよい」「貸すのは構わない」などの意向を記してもらう。家族が対応しやすいよう、管理や修繕に関わった業者や、契約書の保管場所の記入欄も設けた。法的拘束力はないが、遺言状よりも簡単に自身の意向を示せる。
総務省の調査によると、全国の空き家は昨年10月時点で過去最多の900万戸で、このうち放置された物件は385万戸だった。空き家が荒廃すれば倒壊の危険や防犯上の問題があり、取り壊しや管理、活用が喫緊の課題となっている。
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