厚生労働省はこのほど、昨年12月に改正された「手すり先行工法等に関するガイドライン」の普及・定着を目的としたリーフレット「手すり先行工法の足場を使用しましょう」(PDF)を作成した。
「手すり先行工法」は、足場の作業床となる箇所に適切な手すりを先行して設置する足場工法。組立て時には労働者が足場の作業床に乗る前に、作業床の端となる箇所に手すりを先行して設置。解体時には最上層の作業床を取り外す際に、作業床の端の手すりを残しておく。これにより作業中、常に手すりがある状態となるため、高い墜落防止効果を発揮する。
改正されたガイドラインでは、①くさび緊結式足場での作業上の留意点、②安全衛生法令の改正事項(フルハーネス型墜落制止用器具の使用、足場の安全点検による点検者の指名、一側足場の使用範囲の明確化など)、③足場部材の最新技術基準―などが追記された。
その内容をもとにリーフレットでは、手すり工法の種類、種類別の性能、使用方法などの項目を図入りで解説。チェックリストでは、▽事前調査(敷地内・周囲)▽計画(足場・機材管理・仮設備・機械・作業・安全衛生管理)▽工程表―の必要事項を一覧にした。組立て作業に当たっての留意事項なども記載している。
2023年の「労働災害発生状況」によると、労働災害により亡くなった建設労働者は223人、死傷者数は1万4414人。原因は「墜落・転落」が最多だった。近年行われた法改正により墜落・転落事故は減少傾向にはあるものの、今なお死亡者数の38.6%(86人)、死傷者数の31.6%(4554人)を占めている。
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