三谷産業(石川県金沢市)のグループ会社で、プラズマによる表面改質技術に関する研究開発および製品の製造・販売を行うアウロステクノロジーズ(石川県白山市)は、老朽化した橋梁やトンネル、建築物等の補強工事の工期短縮とコスト削減を図る独自の工法「APLASシート工法」を開発したと発表した。同工法は5月に、国土交通省が運営する新技術情報提供システム「NETIS」に登録された。
同工法には、同社のコア技術であるプラズマ表面改質技術により開発した独自の「APLASシート」を使用。プラズマ表面改質技術では処理条件と素材の組み合わせ次第で、高い接着性を長期間にわたって維持することができる。「APLASシート」はこうした独自技術を活用した、高接着性の炭素繊維強化熱可塑性樹脂(CFRTP)のシートだ。
シートの厚さは0.3mm程度。ロール状の保管や重ね継手施工のほか、現場で補強対象に合わせた熱による曲げ加工も可能なため、構造物の形状に合わせた施工が可能。すでに樹脂が含浸しているため簡単に貼り付けられ、現行工法で必要とされていた樹脂下塗りなどの施工工程が不要となる。施工試験による検証結果では、現行工法と比べて作業時間を約40%短縮できることが明らかとなったという。これにより直接工事費の削減も期待できる。
現在、「APLASシート」の量産体制を整備しており、今秋よりサンプルの提供を開始する予定だという。販売開始時期は2025年春を予定。
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