リンナイ(愛知県名古屋市)は、カビ専門家で千葉大学真菌医学研究センターの矢口貴志准教授の監修のもと、全国の男女1000人にカビに関する意識調査を実施した。その結果、8割近くの人が自宅のカビ汚れについて「悩む」「どちらかといえば悩む」と回答したことがわかった。また、最も多いカビ掃除の悩みは、「カビ汚れが落ちない(73%)」だった。
自宅のカビ汚れが気になる場所については、最も多かったのは「浴室(92%)」、次いで「エアコン(43%)」だった。また、浴室についてカビが生えるイメージのある場所は、「ゴムパッキン(79%)」が最も多い回答だった。
カビ汚れの対策は、「こまめに掃除する(55%)」が最も多く、浴室とエアコンのフィルターの掃除の頻度については、浴室が「毎日(26%)」、エアコンのフィルターは「それ以下(1~2カ月に1回程度未満)(57%)」が最多だった。
浴室の使用後のお手入れに関して意識していることとして、最も多かったのは「洗剤で掃除する(68%)」だった。一方で、意識していてもできていないことは「入浴後に水をふき取る(27%)」だった。
矢口准教授は、「入浴後、熱めのシャワーで石鹸カスや湯垢などを洗い流し、よく乾燥すれば、カビは生えにくくなる」と説明。「水分を拭き取り、換気扇を使用する。カビが発生したら、次亜塩素酸ナトリウムが入ったカビ汚れ用の洗剤で、殺菌、漂白すること」を推奨している。
浴室掃除はドアを閉めて換気扇を回す
浴室の乾燥方法について、最も多い回答は、「換気扇を使用する(60%)」、次いで「浴室のドアを開ける(43%)」、「窓を開ける(40%)」だった。矢口准教授によると、雨の日は窓を閉めて換気扇で換気するのが良いという。また、浴室のドアを開けて換気すると、湿った空気が他の部屋に回ってしまうため、ドアを閉めて換気扇を回すことを勧めている。
浴室のカビ汚れの掃除方法については、最も多い回答は「ブラシやスポンジでこする(71%)」だった。これについて、「硬いブラシでこすらないように。壁、床、目地、パッキンなどに細かい傷がつき、そこにカビが入り込んでしまう」と矢口准教授。「カビ汚れ専用洗剤をかけたあとにラップで覆い、洗剤の成分が浸透すれば、カビが落ちやすくなる」とアドバイスする。
エアコンは送風運転して乾燥を
エアコンのカビ対策について最も意識していることは、「フィルターを定期的に掃除する(70%)」、次いで「掃除する際は上部のほこりから取り除く(45%)」となった。また、意識しているができていないことは、「フィルターを定期的に掃除する(28%)」が最も多い結果となった。
「冷房時のエアコン内部の湿気は、そのままにしておくとカビが繁殖しやすいので、乾燥させることが重要。エアコンを使い終わったらすぐに電源を切らず、15~20分ほど送風運転して乾燥させると良い」と矢口准教授は言う。
梅雨の時期の洗濯の悩みで最も多い回答は「乾きづらい・乾かしづらい(75%)」で、次に「生乾き臭(62%)」。部屋干しする頻度は、「2~3日に一回程度(34%)」、次いで「毎日(27%)」だった。 矢口准教授は「部屋干しする際は、扇風機で風を洗濯物にあてる、除湿器を使用して湿度を下げるなどするとよい。部屋干しの頻度が増えると、屋内のカビの発生の原因にも。できれば、浴室乾燥機を使用するのが好ましい」とアドバイスしている。
■関連記事
永大産業、「乾太くん収納ユニット」に奥行きぴったりの新仕様
汚れに塗布し洗い流すだけ 建物洗浄剤Beo施工販売店募集
エアコンの“都市伝説”をダイキンが検証「どっちが安い?」
住宅ビジネスに関する情報は「新建ハウジング」で。試読・購読の申し込みはこちら。