政府は6月11日、経済財政運営と改革の基本方針「骨太の方針」の原案をまとめた。
その中の「GX(グリーントランスフォーメーション)・エネルギー安全保障」という項目では、エネルギー政策について触れ、「エネルギー安全保障と脱炭素を一体的に推進する中で、産業競争力の強化、新たな需要・市場創出を通じた成長フロンティアの開拓を図り、強靭な経済構造を構築することを目指す」とした。エネルギー自給率の大幅な向上によりエネルギー安全保障を確保し、脱炭素とコスト削減を両立させ、国内産業の稼ぐ力を強くするエネルギー構造に転換していく。
具体的な目標については、「2050年カーボンニュートラルの実現、2030年度の温室効果ガス46%削減という目標を踏まえ、2024年度中を目途に、『GX国家戦略』を策定するとともに、『エネルギー基本計画』及び『地球温暖化対策計画』を改定する」としている。
省エネルギーについては、省エネ設備投資の支援や断熱窓及び高効率給湯器の普及をはじめ、中小企業の省エネ診断の活用を促す地域金融機関との連携・支援体制の構築を進め、企業の省エネ取組情報の開示も促している。
昨今、関心の高まっている再生可能エネルギーについては、主力電源として導入拡大に取り組む。具体的には、薄くて軽い「ペロブスカイト太陽電池」と風車を海に浮かべるタイプの「浮体式洋上風力」を支援する姿勢を明確にした。
そのほか、循環型社会の実現についても明記。再生材の利用を拡大し、製品の効率的利用等を促進する動静脈連携のための制度検討や支援をするとしている。また、太陽光パネル等の廃棄・リサイクルの制度検討に加え、バイオものづくりの技術開発・拠点整備を進めることにも触れている。
エネルギー安全保障については、「ロシアのウクライナ侵略や不安定な中東地域による資源・エネルギー情勢の複雑かつ不透明さに対応するため、強靱なエネルギー需給構造への転換を進める」としている。
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