秋田県能代市が運営するオウンドメディア「エネルギーのまち能代編集部」は、「再生可能エネルギー」が一般的にどの程度知られているのか、また再生エネルギーへの意識についてインターネットアンケートで独自調査を行った。調査期間は2023年12月6日から12月8日。調査対象は全国の20代以上男女。サンプル数は230人。
再生可能エネルギーの認知については、風力発電がトップで84.8%。次いで太陽光発電が83.5%だった。一方、地中熱利用は40.4%で、小水力発電は30.9%と、大半の人に認知されていないことが分かった。
再生可能エネルギーに関する取り組みについては、電気自動車・PHV(プラグインハイブリッド自動車)の認知が最も高く、次に燃料電池の54.4%という結果となった。再エネ固定価格買取制度は29.4%、スマートコミュニティ・スマートグリッドは18.9%、天然ガスコジェネレーションは10.5%となり、認知が高くないことがわかった。「日常生活でなじみが薄いことが、認知度が低いことの要因の一つ」と編集部は分析している。
再生可能エネルギーの導入に関する受容度は、大規模太陽光発電所48.3%が最も高く、次いで洋上風力発電所が45.2%だった。導入に反対と回答した人の割合は、太陽光発電17.1%よりも洋上風力発電所14.0%の方が低い結果となった。いずれも賛成派は反対派を上回っており、再生可能エネルギーの導入への受容性が比較的高まっていることが明らかになった。
「再生可能エネルギーが普及することで期待する効果は何か」という質問には、「地球環境の保全」が53.5%と最も高かった。「安心安全なエネルギーの確保への期待」は51.8%、「災害時の非常用電源等としての利用への期待」は37.7%、「生活利便性の向上」は22.8%と、日常生活に近いところや、災害時の電力活用への期待が高く見られた。
また、町づくりや地域活性化に期待する回答もあり、「再生可能エネルギーに取り組む町の知名度向上」は11.4%、「地元雇用の拡大」は10.1%という結果となった。
市民参加型再生可能エネルギーの受容度を調査したところ、市民が出資して配当を得ることができる、市民ファンド型の再生可能エネルギー発電事業に参加したいと考える人は約4人に1人の26.7%という結果となった。「2016年に実施した秋田県能代市の市民ファンド『風の松原ファンド』でも、2億円の資金調達に対し7.5億円の応募があったことから、その関心の高さをうかがい知ることができる」と同調査はまとめている。
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