国土交通省は6月10日、「働き方改革の実現に向けた効率的な建設工事の促進事業」のモデル事業として、専門工事業者等向け(タイプA)3件、元請事業者等向け(タイプB)8件、公共事業に従事する建設事業者等向け(タイプC)1件、共通(タイプD)6件の計18件の事業を採択した。併せて、専門工事業者等向け(タイプA)の追加公募を開始した(7月31日締め切り)。
同事業は、今年4月から時間外労働の上限規制が建設業にも適用されるなど、働き方改革が推進されている一方で、効率的な工事が必ずしも実施されていないなどの課題解決のために、発注者、元請、専門工事業者を含めた多様な関係者と連携しながら、取り組みを進めることが狙い。具体的な工事を対象として効率的な建設工事を促進するモデル事業を採択し、試行的取り組みを行う事業1件当たり250万円程度を支援する。
追加募集は専門工事業者の働き方改革に資する取り組みについて、特に重点的に事例を集める観点から実施する。専門工事業者と協力し、専門工事業者の時間外労働削減を目指すことを主目的とするものであれば、元請事業者からの応募も可能。採択上限15件程度(詳細)。
今回採択された事業は次の通り。
【専門工事業者等向け(タイプA)】
▽エビス架設工業(社内DX化に向けたITキックオフ事業)
▽山上組〈専門工事業者:松本興業〉 (ダンプ車両情報と建機ペイロード連携による発生土搬出業務の効率化を図る事業)
▽大林組〈専門工事業者選定中〉(車両動態管理システムを利用した資機材搬入管理と近郊交通問題の緩和)
【元請事業者等向け(タイプB)】
▽小田島組(実行予算管理クラウドサービス〈ミヤシステムA〉活用による原価管理業務の効率化・分業化を図る取組み
▽川田建設(デジタルデータの全面活用による施工管理業務の省力化・省人化を図る取組)
▽社奥村組(「材料管理BPO」~BPOを活用した材料管理の効率化~)
▽藤原工業(建設ディレクターや工事施工管理ツールを活用し書類管理業務の効率化を図る取組)
▽寿建設(3Dスキャンアプリ「Scanat」を活用した国道メンテナンス対応の効率化の取り組み)
▽大林組(RFIDシステムを活用した高所作業車の運用管理の取組)
▽大林組(ワークサイトの試行による元請職員の業務効率化)
▽香山組( ”紙媒体ゼロ”達成に向けたオールデジタルの取組)
【公共事業に従事する建設事業者等向け(タイプC)】
▽パシフィックコンサルタンツ(汎用ソフトの有効活用による震災復興事業の一元管理)
【共通(タイプD)】
▽大庭組(施工プロセス監理ツールによる日常的な遠隔臨場及び施工監理支援の試み)
▽堀口組(遠隔臨場での移動レスによる効率化実験:ネットワークカメラによる日常監視と「新ヒヤリハット報告」による職場安全意識の醸成)
▽加賀建設(LiDAR搭載iPhoneと短時間で高精度な3次元測量アプリによる効率化、および省人化)
▽水倉組(「TEAM SWITCH」導入による現場技術者の遠隔支援を柱とした業務支援体制の構築を図る取組)
▽愛亀(建設ディレクターおよびICT活用による、書類管理業務・現場管理業務の効率化を図る取組)
▽可児建設(中小建設会社で行うネットワーク映像臨場と写真計測他技術による3次元現場進捗管理の実務運用)
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