弁護士・秋野卓生さんが、工務店が知っておくべき法律知識を毎月20日号で解説する本連載。今回は、資金調達の一手法であるファクタリングについて、そのリスクを解説します。
ファクタリング会社からの資金調達
住宅会社の経営には、資金繰りという概念が不可欠であろうと思います。施主からの最終入金が建物の完成後になる一方、各下請業者に対しては毎月出来高払いをしていかなければならないので、金融機関から借り入れをして、資金繰りをする住宅会社が一般的です。
この住宅会社が、資金調達の目的で、ファクタリング会社との間で、住宅会社が施主との間で締結した請負契約に基づく請負代金債権について債権譲渡契約を締結して請負代金債権を譲渡し、その対価として借り入れをする手法が「ファクタリング」と呼ばれる借り入れの方式です。
何気なくファクタリング会社から借り入れをしている住宅会社も多いと思うのですが、ひとたび住宅会社が資金繰りに窮し、いよいよ弁護士に依頼して“私的整理をしよう”“法的手続きを検討しましょう”となった際、このファクタリングは大変な重荷となってくるのです。
弁護士が手がける住宅会社の清算手続き
住宅会社が資金繰りに窮したとき、法律相談を受けた弁護士は「どうやって施主を守るか」という視点で再建手法を検討することとなります。
住宅会社が倒産すると・・・
この記事は新建ハウジング6月20日号10面(2024年6月20日発行)に掲載しています。
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