帝国データバンク(東京都港区)は6月13日、「2024年夏季賞与の動向アンケート」の結果を発表した。有効回答企業数は1021社。夏季賞与があり、前年より「増加する」企業は2.1ポイント増の39.5%だった。「変わらない」は34.2%(前年比2.2ポイント減)、「減少する」は11.3%(同2.0ポイント増)で、「賞与あり」の企業は合わせて85.0%(同1.9ポイント増)にのぼった。一方、「賞与はない」は10.3%(同0.9ポイント減)だった。
「増加する」理由として、業績回復をあげる企業が多かったが、業績が改善していない企業でも従業員の経済的負担の軽減やモチベーション維持のために賞与を増やしたケースも少なくなかった。「減少する」企業の多くは、原料費の高騰などによる収益悪化を理由にあげている。
「賞与あり、増加する」企業を規模別でみると、「大企業」が前年比4.9ポイント増の47.2%で、全体(39.5%)を7.7ポイント上回った。一方、「中小企業」は38.2%(同1.7ポイント増)、「小規模企業」は29.2%(同1.9ポイント増)となり、「大企業」と比較して小幅な上昇にとどまった。特に「小規模企業」では、増加する割合が全体を約10ポイント下回った。
夏季賞与の従業員1人当たりの平均支給額は、前年から平均で2.0%増加し、増減率は前年(2.4%増)を0.4ポイント下回った。規模別では、「大企業」が4.1%増で、前年から0.6ポイント上昇。「中小企業」は前年から1.7%増(同0.5ポイント減)と、「大企業」を2.4ポイント下回り、規模間格差が顕著となった。
厚生労働省の「毎月勤労統計調査」によると、4月の所定内給与は前年同月比2.3%増と約30年ぶりの高い伸び率となった一方、物価変動を反映した実質賃金は、過去最長の25カ月連続で減少している。個人消費への下押し圧力が強まるなか、同社は物価高騰に負けない賞与を含む賃金の上昇、および「持続的な賃上げ」が実現できるかが注目されるとしている。
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