土地政策に関する基本的な方向性をとりまとめた「土地基本方針」(PDF)がこのほど見直され、6月11日に閣議決定された。新たな土地基本方針では、これまでの宅地化を前提とした土地政策から軸足を移し、「サステナブルな土地の利用・管理」を全体目標として掲げた。この方針により、地域の実情に応じた土地の利用転換、円滑な不動産流通・取引の確保などを図る。
今回、新規・拡充事項として、①適正な土地の利用・管理の確保を図るための措置、②土地の取引に関する措置、③土地に関する調査・情報提供に関する事項、④土地施策の総合的な推進を図る事項―などが盛り込まれた。
このうち①土地利用・管理に関する項目では、低未利用土地、所有者不明土地に対する施策として、▽国・地方公共団体、民間事業者などによる土地利用に関する枠組みの構築▽低未利用の土地などを譲渡した場合の税制特例措置▽セキュリティトークン(デジタル証券)やクラウドファンディングなどを通じた低未利用の土地・不動産の取引・利用―などの具体策が示された。他にも、改正空家法による取り組みや、所有者不明土地法に基づく制度の活用などを推進する。
また、防災・減災に関する項目では、水災害に対応したまちづくり、住まいづくりに向け、水災害の危険性の高い地域での居住を避けるため、「多段階の浸水想定図」や「水害リスクマップ」の作成、浸水想定区域、浸水被害防止区域の指定を求めた。災害に備えた計画的なまちづくり、宅地造成・特定盛土等規制法に基づいた危険な盛土などの規制なども行う。
建築・都市DXで土地政策を強化
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