厚生労働省は4日、「過労死等防止対策大綱」の改定案を公表した。社会問題になっている客による迷惑行為「カスタマーハラスメント」(カスハラ)について、「企業の対策事例の周知や、業種別の対策の取り組み支援を行う」と明記した。
大綱は3年ごとに改定される。過労死した労働者の遺族や労使、有識者でつくる協議会は同日、改定案を大筋で了承した。7月ごろの閣議決定を目指す。
政府は、企業にカスハラ対策を義務付ける法律の整備を検討している。大綱案では既存の対策マニュアルの周知を進める方針を示したほか、相談体制の整備などを盛り込んだ。
組織に属さず働くフリーランスを保護する法律が昨年成立したことを受け、改定案では「安心して業務に従事できる環境整備を図る」と指摘。芸術や芸能従事者の過労死事案も分析するとした。
厚労省は、一定期間内に複数の過労死を発生させた企業への再発防止策を強化する。企業を管轄する都道府県労働局長が改善計画の策定を求め、指導する。
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