営業は全員女性、専門工事の内製化、高性能×自然素材の家づくりと、ユニークな取り組みを進めてきた久文建設(島根県出雲市)。「特別なことは何もしていない」と言う社長の久文秀典さんと、20年前にともに住宅事業を立ち上げた常務の山尾規子さんに話を聞いた。【ライター 金井友子】
20年前から住宅に特化
公共土木工事を長年手がけてきた同社が住宅事業に移行したのは20年前のこと。1995年の10億円をピークに売上げは下がり続け、公共土木でのV字回復はもうないと判断した。花屋とケーキ屋のコラボショップを出雲市駅構内に開くなどさまざまなことを試すが、ことごとく失敗。そんななか久文さんが思い出したのは、1998年に入社した山尾規子さんの面接時の言葉だったという。
「会社のことを一通り説明し、最後に『何か質問ある?』と聞くと、『私、本当は建築をやりたいんです。もしこの会社で建築をやる未来があるなら、その部署に行かせてもらえませんか?』と言うんです。当時は住宅に参入する気配などみじんもありませんでしたが、数年後にこの時の会話がふと蘇って『よし、戸建てをやってみるか』と。そこから彼女に勉強してもらい、イチから立ち上げたのが今の住宅事業です」。
営業は女性のみ
ローコストからスタートし、初年度は山尾さんのつてで1棟建築。2年目以降は構造・完成見学会で集客するスタイルを少しずつ固め、4年目には年20棟を、7年目には40棟を受注するまでになった。
住宅事業が軌道に乗り始めた頃、久文さんが独自の強みとして打ち出したのが・・・
この記事は新建ハウジング6月10日号8・9面(2024年6月10日発行)に掲載しています。
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