ハヤシ工務店は、千葉県匝瑳市に国産材によるCLT工法・木造平屋建ての自動車整備工場付きの木造ショールーム(ホンダカーズ東総、匝瑳店)を新築中だ。Hondaディーラーとしては全国初となる木造の店舗。同社社長の林和義さんは企業でのSDGsやESG投資が普及していく中で、「座礁資産と言われるセメントや鉄骨ではなく、木造を選択することで脱炭素社会に貢献できる取り組みだ」と述べる。【編集部 栁原潤】
同社が手がけているのは、千葉県東部を中心に展開している正規Hondaディーラー「ホンダカーズ東総」(旭市)の匝瑳店が移転にあたって新築する店舗。設計は栗本建築設計監理事務所(匝瑳市)。建築面積は1116.44㎡、延べ床面積1061.67㎡。総工費は約6億5000万円。令和5年度林野庁補助事業の「CLT活用建築物等実証事業」の採択を受け、このうち1億円を賄った。
同ショールームの建築にあたっては、ライフデザイン・カバヤ(岡山県岡山市)が金物メーカーや教育機関らと共同開発したCLT工法「LC–core構法」を、同社で初めて採用した。CLTと一般流通金物の約20倍の壁体力がある金物で、高層建築で用いるコア構造の考え方を用いたもの。CLTパネルの設置枚数を抑えて効率よく配置しながら、開放的な空間をつくれるといったメリットがある。
建て方では、柱や梁、CLT壁、床パネルの組み立てで、大工2組(5人1組)でレッカー2台を使用、4日間で終えた。
初のCLTに戸惑いも
木造賃貸アパートや店舗、福祉系など、非住宅木造を年間3〜5棟程度手がけている同社だが、CLT工法を用いるのは初めて。これまで500〜1000㎡クラスの住宅の延長線上にある事務所棟や店舗、施設が多かったが、今回はカーディーラーのショールームとあって、平面的に大空間を確保し、最大10m程度のスパンを飛ばしながら、無柱空間を構成する必要があったためだ。
施工にあたっての懸念点は・・・
この記事は新建ハウジング6月10日号4面(2024年6月10日発行)に掲載しています。
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