たてみ(山梨県富士吉田市)は、注文住宅、建売住宅に続く“新築住宅の新しいカテゴリー”となるシステム「第3の注文住宅」を開発した。プランニングの自由度を担保し、かつ価格と実物(モデルハウス)を提示して「販売」できる住宅商品を実現。社長・小川茂幸さんは、同システムで「工務店を請負業から、販売・請負業に転換させる」ことを目指し、自社の事業と並行して各地でVCを展開していく。【編集部 荒井隆大】
6種・3グレード制の住宅商品を「ラック」ごと提供する
第3の注文住宅システムは 、“木の家”の住宅商品5シリーズに、従来の注文住宅と同様のオーダープランを加えた計6シリーズが基本。全シリーズで省エネ基準・長期優良住宅・ZEH(太陽光発電搭載)の3グレード制とし、BELSの5つ星評価も標準化している。
価格は税別で2000万円前後。BELSや長期優良住宅の申請・認定費用も価格に含まれる。建設地(寒冷地は割増価格)による差はあるが、全シリーズの坪単価・総額を公開している。導入工務店は、自社のウェブサイトで同一の商品ラインアップと価格を、同じ「商品ラック」のように表示できる。
オーダープラン以外でも間取りは変更が可能だが、モデルハウスで提示するプランをそのまま建てることも可能。しかし完全なフリープランではなく、仕様は仕上げ材の色などを除いて統一する。
4月にはVCの本部としてTATEMIを設立。販売支援や、加盟店が利用できるモデルハウス、省エネ・構造計算のサポートなどを行っていく。ただしあくまでVCであり、営業や各種計算は加盟店各社が自社で行うことを原則とする。
自動車のように家を販売 モノで市場を生み出す
従来型の請負契約による注文住宅は、自社のテイストや特徴は提示できても、その顧客が手に入れるのと全く同じものを見せることはできないし、価格も初めから正確な額を提示できない。小川さんはこの業態を「販売できる商品を持てず、市場も創出できない」と見なす。規格住宅やセミオーダープランも、請負である限り大差はないとも見なしている。
一方、第3の注文住宅は・・・
この記事は新建ハウジング6月10日号3面(2024年6月10日発行)に掲載しています。
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