「公的な補助金を活用するのは、お客様のメリットになるできる限りのことをしたいから」とスペースマイン(奈良県大和郡山市)社長の矢島一さんは語る。先進的窓リノベ事業に限らず、これまで同社では、長期優良住宅に長期優良住宅化リフォーム、こどもエコすまい支援事業など“顧客ファースト”を実践し、手間を惜しまずあらゆる補助金に対応してきた。同社にとっての補助金は、新たな需要の掘り起こしではなく、“顔の見える”関係性の既存オーナー・ユーザーに対する“サービス拡充”の位置付けだ。
リフォームで創業後、新築と“両輪経営”
同社は、27年前にリフォーム事業で創業したというルーツもあることから、創業から3年目に本格的に新築事業を手がけるようになった後も、ずっとリフォームと新築を“車の両輪”とする経営を貫く。現在は社員11人とパートスタッフ2人の体制により、年間で、1棟4000万~5000万円のこだわりの新築注文住宅を2~3棟、平均単価2500万円程度の性能向上リノベーション7~8件、ふすま1枚の張り替えから対応するリフォーム約400件を手がける。
矢島さんが最も重視するのは、地元の“顔の見える顧客”との関係性の構築だ。新築・リノベ・リフォームに限らず引き渡したら終わりではなく、アフターも含めて生涯にわたってつながり続ける。そうした考え方のもとで関係性を築いてきた新築約120棟、性能向上リノベ250件のオーナーやリフォームのユーザーの数は3500世帯に及び、その約7割が車で15分圏内の地元・大和郡山市内にある。その中には「1世帯で20回以上、当社にリフォームを依頼してくれるリピーター」などもいることから、創業からこれまでの累積の工事件数は優に1万件を超えるという。
2023年の窓リノベ実績は30件
こうした経営方針のため、同社の集客・受注スタイルは、常に新規の顧客を掘り起こすのではなく・・・
この記事の続きは、『新建ハウジング別冊・月刊アーキテクトビルダー6月号(2024年5月30日発行)異業種の手法を60字で学ぶ 住宅ビジネス[超]ヒント集』(P.32〜)でご覧ください。
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