改正建築物省エネ法(2022年6月公布)の2025年施行に関連した政令が4月16日に閣議決定され、25年4月1日から「新築住宅への省エネ基準適合義務化」と「4号特例の縮小」が施行されることがようやく決定した。また今年4月からも新しい制度などが動き出している。24~25年度の重要な法制度の改正について解説する。
24年度の新制度・改正にどう対応すべきか?
2024年度の主な改正・新制度としては、建築物の販売・賃貸時の省エネ性能表示制度(以下「省エネ性能表示制度」)、建築物再生可能エネルギー利用促進区域制度、空家等対策の推進に関する特別措置法(空家特措法、23年12月改正)が挙げられる。
① 省エネ性能表示制度
省エネ性能表示制度は、住宅・建築物の省エネ性能(住宅は断熱性能と一次エネルギー消費性能)を星の数などで表したラベルを、販売・賃貸時に提示する努力義務を事業者に課すもの。ここでいう事業者は「販売・賃貸事業者」で、工務店でも自社が売主となって分譲住宅を販売する場合などは対象となる。
一方、不動産事業者や家主から分譲・賃貸住宅の設計施工だけを請け負うようなケースは、工務店が直接努力義務を負うわけではないが、建て主からラベル発行を依頼されるケースなどは十分に考えられる。ラベル自体は、BELSを利用していれば第三者評価ラベル(ZEHマークの表示も可)の発行が受けられ、自己評価でも住宅性能評価・表示協会の作成プログラム(WEBプログラムの計算結果が必要)を使えばすぐに作成できる。
また、現時点では新築(24年4月1日以降に建築確認を受けた建物)のみが対象だが、既存住宅の表示についても検討が進んでおり、いずれは既存での表示が普及していく可能性は高い。現行制度でも、新築時のラベルをその後の流通時に使用することは可能だ。注文住宅でも新築時にラベルを発行しておき、自社の住宅の価値を、長期に渡って担保するツールとして活用する道もあるはずだ。
②建築物再生可能エネルギー利用促進区域制度
自治体が再エネ設備(太陽光発電、太陽熱利用、バイオマス)の設置を促進する区域を定めることができる制度。区域内では、建て主に対する説明義務が建築士に課される。同時に建築物の形態規制を合理化する特例許可も創設される。
建築士の説明義務は・・・
この記事の続きは、『新建ハウジング別冊・月刊アーキテクトビルダー6月号(2024年5月30日発行)異業種の手法を60字で学ぶ 住宅ビジネス[超]ヒント集』(P.11〜)でご覧ください。
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