エヌ・シー・エヌ(東京都千代田区)はこのほど、佐賀県唐津市と大分県日田市に建築中の大規模木造店舗2物件がZEB認証を取得したと発表した。同社が構造および環境設計を、関連会社であるMUJI HOUSE(東京都文京区)が設計施工を担当した。いずれも木造平屋建てでSE構法を採用。延床面積は佐賀県唐津市が2430㎡、大分県日田市が2625㎡。床面積2000㎡以上の大規模建築の木造化と、年間の一次エネルギー消費量が正味ゼロまたはマイナスとなるZEB認証を2物件同時に取得するのは国内初という。
建物の木造化が建設時のCO2排出量削減につながることから、両社はより大きな削減効果が期待できる大規模木造店舗の実現に取り組んできた。同時に、高断熱化・高効率機器の導入による省エネと屋根一面に設置する太陽光パネルでの創エネにより、施設運用時のCO2排出量を削減。これにより「木造・2000㎡以上・ZEB」を実現した。
同社が、「大規模木造『ZEB』」普及を目的に実施した「ZEB評価取得物件実態調査(2023年度)」によると、2016~2023年度にZEB認証を取得した物件は2407件で、このうち木造は261件だった。木造の『ZEB』物件で、床面積2000㎡以上は3物件のみで、そのうち2物件が同物件となる。同社は、今後さらなる木造化・ZEB化に取り組み、大規模木造の『ZEB』普及を目指すとしている。
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