国土交通省は、自動車検査証の有効期間が切れる2カ月前から車検を受けられるよう規制緩和する。これまでは通常1カ月前からだったが、利便性向上のため延ばす。現在パブリックコメント(意見公募)を実施中で、周知を図った上で来年4月に施行する。
検査は道路運送車両法に基づき行うもので、タイヤやメーター、ライトなどが安全基準を満たしているか確認。車検の切れた車を公道で運転すれば、免許停止といった行政処分や刑事罰が科される。
新車を除き、車検の有効期間は自家用車で2年、バスやトラックなどは1年。期間満了日の1カ月前以降に継続検査を受ければ、残っている有効期間を生かしたまま延長可能だ。例外的に、自動車の点検整備業者がいないなど条件が不利な離島地域では、2カ月前からの受検に対応していた。
一方で継続検査の需要は、年度末に集中している。新生活を前に自動車を取得する人が多いためだ。予約を取りにくい上に、自動車整備士の働き方改革も相まって、期限までに検査を終えるのが難しい状況が懸念されていた。そこで、需要を分散させる狙いで、全国一律で2カ月前から受けられるようにする。
国交省は、業界団体や自治体などを通じて利用者に周知する。受検期間に余裕が生まれるため、うっかりミスによる公用車や社用車の車検切れが減ることも期待される。
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