大手銀行5行は5月31日、6月の住宅ローン金利を発表し、代表的な固定期間10年の基準金利を全行が引き上げた。日銀が6月にも国債買い入れ減額などの政策修正に踏み切るとの見方が金融市場で強まり、参考となる長期金利が上昇していることを踏まえた。全行引き上げは2カ月連続。
短期金利に連動する変動金利は5行とも据え置いた。
10年固定の最優遇金利は、三菱UFJ銀行が前月から0.14%引き上げ1.20%、三井住友銀行が0.05%引き上げ1.75%、みずほ銀行が0.05%引き上げ1.55%、三井住友信託銀行が0.100%引き上げ1.445%、りそな銀行が0.05%引き上げ1.830%とする。
長期金利の指標となる新発10年物国債の流通利回りは、30日に一時1.100%と約12年半ぶりの高水準を付けた。ニッセイ基礎研究所の福本勇樹金融調査室長は「長期金利はそろそろピークが近い」と分析しつつ、住宅ローンの固定金利への波及には時間差があると指摘。「徐々に上昇する流れは2、3カ月ほど続くだろう」と見込む。
市場では日銀による早期利上げ観測も広がっている。実施されれば、大手各行は変動金利も引き上げるとみられている。
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