住友林業(東京都千代田区)はこのほど、茨城県つくば市で6階建ての社宅を着工した。同社が設計・施工し、2025年5月末竣工の予定。1階はサテライトオフィス・店舗などで、2~6階が社宅となる。総戸数46戸。
同物件は、平面混構造(中央がRC造、両端が木造)の耐火建築物で、木造部分の構造材はすべて国産材を採用。
建築に当たっては、独自開発した技術を採用し、部材のコスト削減や作業の省力化を図り、混構造のメリットを最大限引き出す。構造は、中央にRC造を配置したものとすることで、水平力を全て集中させ、木造部分にかかる負担を低減。木造の梁や柱のスリム化を図る。RC造部分には、日建設計(東京都千代田区)と共同開発した「合成梁構法」を採用。木梁とRC床版の合成効果で剛性を高め、梁成の縮小とロングスパンを実現する。部材については、木造部分の躯体に同社オリジナル木造耐火部材「木ぐるみCT(2時間耐火構造部材)」を採用。木造とRC造の接合部分には、カナイグループ(埼玉県八潮市)と共同開発した「混構造用接合金物」を採用する。
また同物件では、建てるとき、暮らすときのCO2排出量削減に取り組む。同社のCO2排出量算定サービス「OneClickLCA」を用いて、設計時からエンボディドカーボンを見える化し、継続的なモニタリングでCO2排出量を削減する。
同物件で技術の実証や環境配慮のノウハウ蓄積を目指し、引き続きマンションをはじめ中大規模建築の木造化・木質化を推進していくとする。
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