建設産業専門団体連合会(建専連)はこのほど、2023年度の委託事業として実施した「働き方改革における週休二日制、専門工事業の適正な評価に関する調査結果報告書」(PDF)を公表した。女性技能者の増加に伴って、女性用トイレを設置する現場は増えているが、女性専用の更衣室や休憩室を設置する現場は限られており、この3年間で増えていないことも分かった。女性技能者からも「住宅系は車移動で着替えなくてもいいため、更衣室がなくても問題はない」など、諦めとも慣れとも取れる意見が聞かれた。
同調査は、正会員34団体に所属する会員企業およびその下請企業を対象に行ったもので有効回収数は858件。調査期間は2023年10月16日~12月15日。
女性用トイレ整備はやや定着
女性専用設備の整備状況のうち、女性専用トイレの設置状況については、「ほとんどの現場で整備されている」(22.6%)、「半数の現場で整備されている」(23.2%)、「ほとんど整備されていない」(19.6%)などと回答。前年度最多だった「女性技能者がいないため不要」は19.8%にまで減り、女性トイレが設置された現場が着実に増えている。
ヒアリングによる個別意見では、「公園などもあるためトイレですごく困るという経験はない」といった意見がある一方で、「個人住宅の現場が多く、男女共用のトイレを利用することにとまどいがある」、「中小の現場にはないのでどれだけ我慢できるかとなる」、「大手のゼネコンで女性用トイレを設置するところも出てきたが、その現場にずっと入る訳ではないので、別の現場になった時にトイレが無くて困る」などの声が聞かれた。
更衣室・休憩室のある現場は好印象
女性専用更衣室の設置状況については、「ほとんど整備されていない」が34.6%で最も多く、次いで「女性技能者がいないため不要」(21.7%)の順に。21年度調査よりは設置割合が増えているが、22年度調査に比べるとやや後退している。さらに女性専用休憩室は、「ほとんど整備されていない」(45.0%)、「女性技能者がいないため不要」(21.4%)の回答が大半を占めている。
しかし、ヒアリングによる個別意見では、女性用の更衣室や休憩室が無いことへの不満は特に聞かれなかった。その一方で、設置している現場に対しては、「大手の現場には女性用更衣室もあるため女性に優しい。現場内がきれいになるなど女性を受け入れようとしているのが伝わる」、「トイレや更衣室を元請が用意してくれ、現場環境が改善されている」、「現場サイドで女性のための環境づくりの協力があり、休憩時のテント貸出があった」など、良い印象を抱いている様子がうかがえた。
育児が就業継続の課題に
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