能登半島地震で倒壊した家屋の解体が石川県などで進まないことを受け、環境省と法務省は28日、公費解体の運用を改め、所有者全員の同意がなくても可能とした。被災者の申請手続きの負担を軽減し、解体作業を円滑に進める。両省は同日、石川のほか、新潟、富山、福井の各県に通知した。
公費解体は全壊または半壊した家屋が対象で、原則として所有権を持つ全員の同意が必要だった。一部の同意がなくても代表者が責任を負う旨の書面があれば解体する「宣誓書方式」もあるが、手続きが煩雑で、作業の遅れにつながっていた。
全員の同意を不要とする家屋は「倒壊または流出」「火災で全焼」「一階部分が押しつぶされた」などのケース。思い出の品などを持ち出してもらった上で、市町村の判断で公費解体・撤去を可能とする。
これにより、両省は大規模火災の被害を受けた石川県輪島市の「輪島朝市」について、エリア全体で面的に公費解体を進める方針だ。
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